私も難聴者の一人です。特に人の音声がよく聞き取れません。
年々遠くなってくる自分の耳をうらめしく思いつつも、これまで大企業でのサラリーマン生活を営んできましたが「聴こえない」ことによる職場や社会生活の中で常に「疎外感」や「孤独感」を感じるようになり、強く「聴覚に障害をお持ちの方」の置かれた立場を考えるようになりました。
私自身も成人してから難聴が進むようになり、会社での会議や会合での「聴こえない」不自由さを味わってきましたし、各種の研修等に参加しても配布されたテキスト等の「文字情報」を中心とした情報収集に頼らざるを得ませんでした。
高齢化や薬の副作用、または遺伝等により「聴こえを失った」あるいは「失いつつある」人々が意外に多いこともがわかりました。
また、国や各地方自治体や研究機関・企業等がITを中心とした生活環境の実現に向け積極的なインフラ構築を推進する中、小中学校等の教育機関においてもパソコンを含めたIT関連授業の導入が始まり、巷では時代を反映するかのようにパソコンスクールが次々と開校されています。
しかしながら聴覚に障害をお持ちの方が学校やPCスクール等で講習等を受けるにしても、健聴者を前提としたこれまでのデリバリ方法ではその成果に対して大い疑問を感じるところです。
これまでも聴覚に障害をお持ちの方に対するITスキル等の提供は、地方自治体やボランティア等がそれぞれの立場や考え方で取り組み活動しているところではありますが、いずれも「実態的な活動はボランティア」に頼らざるを得ず、人気があるにもかかわらず土台となる人材(ボランティア)や場所の慢性的な不足等により多くは継続的な取り組みが困難なようです。
さらに社会的な「聴覚に障害をお持ちの方の立場」としては「聴こえない」ために職域が狭められたり就職そのものもおぼつかないこともしばしばあります。実態として景気低迷による企業リストラが進み高失業率が続く現在、ハンデを持つがゆえ定期的な収入を得られない聴覚に障害をお持ちの方も決して少なくなく、むしろ深刻な状況であると言わざるを得ません。
そこでこれまでの自分の体験で得たスキルを通じ「聴覚に障害をお持ちの方の立場」に共感できる一人の人間として、パソコンスクールの開業・ボランティア活動の支援・Webを活用した聴覚に障害をお持ちの方のポータルサイトの構築及び運用という3つのテーマをベースに「聴覚に障害をお持ちの方の生活向上を支援するサービス」を目指し社会に貢献することを自分のミッションと位置付け、責任あるサービスの提供を継続的に行なう事業を行っていきたいと思っております。
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